お釈迦様は人生を、苦痛の海(苦海)のようだという表現を使いました。この言葉はちょっと考えると、お釈迦様がまるで世の中は暮らしにくい所だとおっしゃったのだと
誤解をしやすいのですが、実はお釈迦様が苦痛の海(苦海)と指摘した所は
世の中ではなく、人の心だったのです。なぜ人の心が苦海のようなのでしょうか。
それは人々が感謝することを知らないからです。もちろん世の中は熾烈な現場であり、誰にとっても並々ならぬ所です。
しかし、世の中を生きていくのは私です。私が世の中の主体であり、私が私の生の主人だというのです。ですから世の中によって私が変わるのではなく、私によって世の中が変わっていくのです。
どんなに世の中が私にもたらす試練と逆境を抱えていても、世の中が私の考えをどうかすることはできません。どんなに世の中が私にもたらす苦痛と危機を抱えていても、世の中が私の心をどうかすることはできません。私が私に感謝する思いになるとき世の中のすべての逆境と試練は、その感謝する思いの中に消えてしまい
私が私に感謝する心を持つとき
世の中のすべての苦痛と危機は、その感謝する心のなかに影を隠してしまいます。存在していることに感謝して、生きていることに感謝して、息ができることに感謝して、
寝られること、食べて飲めることに感謝できる感謝体の私に対して
世の中の障害は、無力にならざるを得ないのです。世の中のどんな試練と逆境も、私には障害になり得ません。私がこのように存在して、感謝する心を持てるということに
私がこのように存在して、感謝の思いを持てるということに感謝する人へ
世の中のどんなことが、異議を申し立てることができるでしょうか。このような感謝体になるとき、私は初めて完全な自覚をしたのであり、意識の成長の頂点に至るのです。この全てのことは、私がするのです。
この全てのことは、私ができるのです。そういうわけで、私の心が美しければ全世界が美しいのです。
更新日:
2013-06-26 20:51:12