ある弟子がこんな話をしてきました。師匠は「輪廻は自分自身の選択だ」と、はっきりおっしゃいましたが
私はその話が信じられません。
私をはじめとして、誰が再びこの世に生まれることを願うでしょうか。
輪廻において私たちに選択権はないのだと思われますが。この弟子は、師匠が正しく教えても
このように自分の考えとこだわりのままに
「私には輪廻の選択権はないのだ」と決めつけています。今この瞬間さえ本人の選択であるということを忘失してしまっています。
「私には輪廻の選択権がない」ということが
まさに自分の選択であることを看破できずにいるのです。厳密にいえば、世の中は自分の信じたとおりに繰り広がります。
私にとって真実とは何でしょうか。
私の信ずる思いが、直ちに真実となるのです。実際、輪廻について否定的な見方を持つ必要はありません。
輪廻(Reincarnation)とは
「再び(Re)」と「体をまとう(Incarnation)」の合成語です。輪廻の目的はただ一つ。 学びすなわち成長するためです。
けれども、ただ一度の化身で
こうした目的を十分に達成できると考えている人はいません。私たちが現在、人間の体で化身してきた地球とは
どんなところでしょうか。宇宙の光明から最も遠く離れた辺境の惑星です。
ここは闇、否定、不調和、が最も強いところであり
途方もない限界と試験が巣くっているところです。こうした惑星で輪廻を経験するというのは
難しくて苦労が並大抵でないぶん
飛躍的な成長を成せる機会でもあるのです。したがって、場合によっては
輪廻とは抜け出さねばならない苦しい状況なのではなく
私たちが選択する新たな冒険、風変わりな環境を提供するシステム
言い換えれば
成長することにおいて、とても良いシステムだということができるのです。無数の前世を経験してきたということは
それだけその人が成熟してゆく過程を経たといえます。
数多くの前世を通して、現世でよりよい姿へと脱皮していくのです。単に人だけではなく、あらゆる自然万物にも輪廻の法則は適用されています。
すなわち万物の誕生は
より成熟し成長した姿へ発展していくという目的を帯びて起こったことなのです。こうした面において、輪廻というシステムはとても適切なものです。
けれども . . . . みなさんの場合は違います。(つづく)(この文章は2016年4月4日に書かれたものです)
更新日:
2017-07-09