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禅師の叫び

禅師の叫び

1999年11月30日
鏡虚禅師*・・・

誰よりも私たちの身近に寄り添った
あまりにも人間味溢れた偉大な禅師の足跡を
振り返ってみましょう。
*(訳注ー鏡虚禅師(1849−1912):
韓国近代禅宗の中興の祖。生涯を通して禅の生活化、日常化を模索し、禅の革命家として評価されている)

ある隠遁所で、凄絶な五年間の面壁修行を終え、
結制するためにチョナン(天安)に立ち寄ったところ・・・
当時、コレラの病魔に苦しめられていた数多くの村人と
出会いました。
*(訳注−面壁修行:ひたすら壁に面して座禅すること。禅宗の始祖、達磨大師の面壁九年などの逸話がある)

お坊さま、助けてください・・・お坊さま、生きたいのです・・・
絶叫する彼らを見た瞬間
鏡虚禅師は体と心が凍りつきました。

彼は自分を守ることができず
そのうえ、他の人を守ってあげることもできませんでした。

まず自分の平静を失い、病んで死が目前の、呻吟している村人たちに
どんな言葉も言ってあげられませんでした。

鏡虚禅師は、その場にそれ以上、留まっていられなかったのです。
そこを追われるように離れた鏡虚禅師の両ほおに、痛恨の涙が
流れ落ちました。

自分の凄絶な面壁修行、仏法の奥義を自分なりに悟ったという自信感も
目の前に繰り広げられた光景には、あまりにも無力でした。

この事件が、後の鏡虚禅師を誕生させる転換点になったのはもちろんです。
彼は変わっていきました・・・・真実で実質的な自分の内面へと
入っていったのです。

彼は参禅と苦行という、全ての慣行的で
外形的な形式を捨てて、本当に「私」を探すことに没頭しました。

そして遂に悟りを得て、初めて大衆の前に立った時
彼の母親は、あまりにもやつれてみずぼらしい身なりの息子を見て
すすり泣きました。

その時、鏡虚禅師は服を一枚二枚と脱ぎ始めました。
そして体に一糸残らぬ姿になった時
大声で自分の母親に叫びました。

「お母さま、これを見てください。
このように、私の体にまとっていた服が剥がれていったように
あなたの息子というこの体も、いつかは脱ぎ捨てねば ならない殻なのです。
もうこれ以上、鏡虚という殻に執着しないでください!!! 」

皆さん、今日寝る前に、一人残らず、殻の観察をしてみてください!

殻にくっついている数え切れないほどたくさんのウイルス(考え)も
一緒に、です・・・

更新日: 2013-06-26 20:51:54