投稿日:2017年5月21日
最終更新日:2017年5月22日

光の道を求めて

彼女は光の道を追求していた人でした。

光の道とは、世俗的な欲求と欲望の世界から脱皮し
崇高で、純潔で、高貴な霊的価値を求めて旅立つことだと思っていました。

彼女の頭の中はいつも
美しさや平和、愛が充満したユートピアへの想いでいっぱいでした。

そうしたある日、彼女は郊外の公衆プールへ行くことになりました。

人混みを避けるために朝早く行きましたが
すでに二人の女性と一人の男性がプールの中に入っていました。

彼らは周りのことなどまるで気にせず
水を四方八方へと飛び散らせながら、とても騒がしく遊んでいました。

その瞬間、彼女は心が不自由になりました。

彼らの無礼なマナーにむかむかと腹が立ってきたのです。
一体何なのよ!あの人たちは . . .

そのとき、どこからともなく
風に運ばれてきたかのような声が、彼女の耳に入ってきました。

 いいえ あなたは彼らに対して怒りを出してはいけません

  彼らはあなたの過去の姿かもしれないのです
  過去があってこそ現在のあなたがあるのです

 あなたが怒りを出すということは
  彼らに向かってではなく
  まさしくあなた自身に対して出しているということなのです

その言葉を聞いた彼女は涙を流しはじめました。
しばらくの間すすり泣きましたが
その涙している最中に、彼女に痛烈な悟りが訪れたのです。

世の中で一番美しいのは、私の理解だ。

世の中で一番崇高かつ高貴なものは、私の理解だ。

世の中で一番平和で愛に満ちていたのもまた、私の理解だ。

それから彼女は
すべての霊的価値を自分の内側へと求めるようになりました。
自分の理解の中にこそ、すべてが込められていることを自覚したのです。

自分の理解を通して自分の尊さがわかった彼女は
世の中でもっとも眩しい存在となりました。

彼女は悟りました。
私とかけ離れたどんな真実も、それは真実ではないということを. . .

(この文章は、2013年4月23日に書かれたものです。)