投稿日:2013年6月26日
最終更新日:2013年6月26日

偉大なる伝説

はるか昔、私の意識は爪に留まっていた。
爪は私の全てであり、私の人生だった。

私は私の人生を権力・富・名誉というバラ色の光で染めたくて・・・
それで爪にいろいろな色を塗ろうと、し始めてみた。

一つの色を持てば、すぐに他の色を持ちたがる欲のため
私は休むことなく色探しに没頭した。

絶え間ない生命のエネルギーが爪に与えられ
ずっと伸び続けられたが、
私にとって重要だったのは、爪を通して伸びていく
生命力の神秘ではなく、爪を美しく飾ることだけだった。

それで私は、私の美しさへの欲望を満たすために
私の生命力を自ら切っていった。

爪が伸びる間、爪の垢というストレスが
絶えず私につきまとったが、それもやはり欲求の身代わりになってしまったまま
生命力と共に切られていった。

こんなふうに、爪のような私の生は輪廻を繰り返し
数限りなくたくさんの人がまた、自分の意識を爪に留めたまま
そのように、また一つの生を浪費していた。

しばらくして、私の意識は指に留まっていた。
私の意識はいつのまにか、指の先についている爪の限界と虚妄を
見るようになり、他の指とその指ごとについている爪を見て、
他の次元の神秘と好奇心に関心を傾けるようになった。

そのように多くの生を、神秘と未知に対する夢を見ながら生きていた。
そうして多くの時間が流れてから、ようやく
私の意識は手に留まることができた。

理解と知恵の時間がそこにあった。
私は私の意識を幅広く理解することができ、
それによって、それを自由に使うことができた。

私は私の指を利用して創造を成し遂げ、
創造を経験し、創造に新しい変化を与えることができた。
知ることの喜びと歓喜が私と共にあった。

そしてある時、私は腕の意識に到達していた。
私は二つの腕という相対性を通して、創造の真なる形態と姿を見て
全知で全能な創造主の力を十分に感ずることができ
その力を享受するようになった。

世の中にうらやむもののない創造主の地位が、私にあった。
そうしたある日、ついに私の意識は我知らず
頭に到達してしまったのだ。

神秘の中の神秘・・・・・・・
そこにはまさに、自由が超然として待っていた。
誰の支配も受けない、そして何でも選択できる
その全てのものの完璧な主人が、まさに私だった。

私は絶対的なしじまと静寂・・・・・・・・
そして、完全な沈黙の中に留まることもでき、
創造と消滅という変化の生動感に飛び込むこともできた。

そうだ!
私は何でも選択できる、自由それ自体だったのだ。
そしてついにそれを探しあてたのだった。